独立して最初に驚くのが、保険料の請求額です。会社員のときは給与から天引きされ、会社が半分負担していましたが、フリーランスは全額を自分で払います。この記事では、国民健康保険と国民年金の仕組み、所得別の目安、負担を抑える方法を、2026 年度の数字で説明します。
結論: 所得 400 万円なら年間およそ 70 万円
| 事業所得(売上-経費-青色控除) | 国民健康保険(年) | 国民年金(年) | 合計(年) | 月あたり |
|---|---|---|---|---|
| 200 万円 | 約 22 万円 | 21.5 万円 | 約 44 万円 | 約 3.6 万円 |
| 300 万円 | 約 32 万円 | 21.5 万円 | 約 54 万円 | 約 4.5 万円 |
| 400 万円 | 約 43 万円 | 21.5 万円 | 約 64 万円 | 約 5.4 万円 |
| 500 万円 | 約 52 万円 | 21.5 万円 | 約 73 万円 | 約 6.1 万円 |
| 700 万円 | 約 72 万円 | 21.5 万円 | 約 93 万円 | 約 7.8 万円 |
国民健康保険は「所得割率 10%・均等割 6 万円・40 歳未満」の自治体を想定した概算です。料率は自治体で 9〜13%、均等割は 4〜8 万円と幅があり、40 歳以上は介護分が加わります。正確な額はお住まいの市区町村のシミュレーターで確認してください。
国民健康保険の計算方法
国民健康保険料は、世帯の加入者ごとに「所得割」と「均等割」を足して計算します(自治体によっては平等割・資産割もあります)。
- 所得割 = (前年の所得 - 基礎控除 43 万円)× 料率(医療分+支援分、40〜64 歳は介護分も)
- 均等割 = 加入者 1 人あたりの定額(年 4〜8 万円程度)× 人数
- 年間の上限額あり(2025 年度は医療 66 万+支援 26 万+介護 17 万=109 万円)
ポイントは「前年の所得」で決まることです。独立 1 年目は会社員時代の給与所得で計算されるため高くなりがちで、2 年目は 1 年目の事業所得で決まります。売上が伸びた翌年に保険料が跳ね上がるので、資金繰りの計画に入れておく必要があります。
国民年金の保険料
国民年金は所得に関係なく定額で、2026 年度は月額 17,920 円(年 215,040 円)です。配偶者が会社員で扶養に入れる場合(第 3 号被保険者)を除き、20〜60 歳は全員が対象です。
| 支払い方法 | 年間の保険料(目安) | 割引 |
|---|---|---|
| 毎月納付(納付書) | 215,040 円 | なし |
| 口座振替(当月末振替) | 214,320 円 | 月 60 円 |
| 6 か月前納(口座振替) | 約 212,700 円 | 約 2,300 円 |
| 1 年前納(口座振替) | 約 210,900 円 | 約 4,100 円 |
| 2 年前納(口座振替) | 2 年で約 415,000 円 | 約 16,000 円 |
退職直後: 任意継続と国民健康保険はどちらが安いか
会社を辞めてから 20 日以内なら、会社の健康保険を最長 2 年間「任意継続」できます。保険料は在職時の 2 倍(会社負担分がなくなる)ですが、標準報酬月額に上限(協会けんぽは 30 万円)があるため、月給がおおむね 40 万円を超えていた人や扶養家族がいる人は任意継続が有利になりやすく、単身で月給 35 万円以下なら国民健康保険のほうが安いことが多いです。
| 退職前の月給 | 任意継続(年・目安) | 国民健康保険(退職翌年・目安) | 有利なのは |
|---|---|---|---|
| 25 万円 | 約 30 万円 | 約 22 万円 | 国民健康保険 |
| 35 万円 | 約 36〜42 万円(上限適用) | 約 31 万円 | 国民健康保険(扶養家族がいれば任意継続) |
| 50 万円 | 約 36〜42 万円(上限適用) | 約 45 万円 | 任意継続 |
任意継続は扶養家族を追加の保険料なしで入れられる点も有利です。一方、国民健康保険は扶養の概念がなく、家族全員分の均等割がかかります。家族がいる人は任意継続のほうが安くなるケースが多いので、退職前に会社の健康保険組合に金額を確認してください。
負担を抑える 5 つの方法
- 青色申告の 65 万円控除を使う: 国民健康保険の所得割は青色申告特別控除後の所得で計算されるため、控除がそのまま保険料の節約になります(65 万円 × 10% = 年 6.5 万円)
- 国民年金は 2 年前納: 約 16,000 円の割引。資金に余裕があれば最も確実な節約
- 付加年金に加入する: 月 400 円の上乗せで、将来の年金が年 200 円 × 納付月数増える。2 年で元が取れる
- 国民年金基金や iDeCo で老後資金を積む: 掛金は全額所得控除になり、所得税・住民税だけでなく国民健康保険の所得割も下がる
- 所得が急減した年は減免を申請する: 前年所得で計算されるため、廃業・病気などで収入が落ちた場合は自治体の減免制度の対象になることがある
iDeCo の掛金は所得控除になりますが、国民健康保険料の計算は自治体によって控除の扱いが異なります。確定申告で小規模企業共済等掛金控除として申告すれば、多くの自治体で所得割の計算に反映されます。
保険料は「納税資金」として毎月取り分ける
国民健康保険は 6 月から翌 3 月の年 10 回払い(自治体により 8〜12 回)、国民年金は毎月、所得税は 3 月、住民税は 6 月からの年 4 回です。売上から毎月一定割合を別口座に移しておくと、納付月に慌てません。目安は売上の 20〜30% です。
所得税・住民税・国保・年金を一括で概算する
年間売上と経費を入れるだけで、税と保険料の内訳と手取りを計算する Excel シミュレーター。国保の料率・均等割、年金額は自治体や年度に合わせて編集できます。
BOOTH で見る(680円) ↗保険料率・年金額は年度ごとに改定されます。最終確認はお住まいの市区町村(国民健康保険)と日本年金機構(国民年金)の案内をご覧ください。