ブログ / 2026/10/21 · 約6分

フリーランスに年末調整はない。独立した年・会社員と兼業の場合の確定申告との関係【2026年分】

フリーランス・個人事業主には年末調整がなく、自分で確定申告をします。年の途中で会社を辞めて独立した年、会社員と副業を兼ねている場合、取引先から年末調整の書類を求められた場合に、何をすればよいかを整理しました。

11 月になると、会社員は年末調整の書類を出す時期です。フリーランス・個人事業主は年末調整の対象ではなく、1 年分の所得と税金を自分で確定申告して精算します。ただ、年の途中で独立した人や会社員と兼業している人は、年末調整と確定申告の両方が関わるので迷いやすいところです。この記事で、ケース別にやることを整理します。

年末調整と確定申告の違い

年末調整確定申告
誰がするか給与を払う会社本人
対象その年の最後の給与を受け取る時点で、会社に扶養控除等申告書を出している給与所得者事業所得がある人、年末調整を受けていない人、医療費控除などを受けたい人など
精算する所得会社からの給与だけその年のすべての所得(事業所得・給与所得など)
時期11〜12 月(12 月の給与で精算)翌年 2 月 16 日〜3 月 15 日(2026 年分は 2027 年 2 月 16 日〜3 月 15 日)

業務委託の報酬は給与ではないため、年末調整の対象外です。報酬から源泉徴収された所得税も、確定申告で 1 年分の所得税と精算します。

ケース 1: 1 年を通してフリーランス

年末調整は関係ありません。確定申告で、事業所得と所得控除(国民年金・国民健康保険の社会保険料控除、生命保険料控除、iDeCo・小規模企業共済、ふるさと納税など)をまとめて申告します。秋から届く各種の控除証明書は、年末調整用ではなく確定申告用として保管しておきます。

ケース 2: 年の途中で会社を辞めて独立した

年の途中で退職した人は、原則として退職した会社で年末調整を受けません。そのため、独立した年は次のものを合わせて確定申告します。

  1. 退職した会社の源泉徴収票: 給与の支払金額、源泉徴収税額、会社で引かれた社会保険料を確定申告書に書き写す。会社は退職後 1 か月以内に交付することになっているので、届かなければ問い合わせる
  2. 独立後の事業所得: 売上 − 経費(青色申告なら特別控除も)
  3. 退職後に自分で払った社会保険料: 国民年金、国民健康保険(または健康保険の任意継続)の保険料。1 月からの合計額が社会保険料控除になる
  4. その他の控除: 生命保険料、iDeCo、ふるさと納税など、1 年分

退職までの給与からは、毎月の源泉徴収で所得税が引かれていますが、年末調整で精算されていません。独立後の経費や、自分で払った国民年金・国民健康保険の控除を合わせて計算すると、引かれすぎていた分が確定申告で還付されることがあります。独立した年こそ確定申告を忘れずに。

ケース 3: 会社員を続けながら副業で事業所得がある

給与は勤務先で年末調整されます。そのうえで、副業の所得(売上 − 経費)が年 20 万円を超える場合は確定申告が必要です。確定申告書には、年末調整済みの源泉徴収票の金額(支払金額・源泉徴収税額・社会保険料など)と副業の所得を合わせて書き、年末調整で受けた控除も改めて記入します。20 万円以下でも、住民税の申告は別に必要です。

年末調整は勤務先の給与だけを精算する手続きなので、副業の所得を会社に申告する必要はありません。住民税の通知で副業が会社に伝わるのを避けたい場合は、確定申告書の住民税の欄で「自分で納付(普通徴収)」を選びます。

ケース 4: フリーランスでも人を雇っている

従業員やアルバイトに給与を払っている個人事業主は、給与の支払者として、その人たちの年末調整をする側になります。従業員から扶養控除等申告書と保険料控除申告書などを集め、12 月の給与で精算し、源泉徴収票を交付します。自分自身の所得は年末調整ではなく確定申告です。

よくある質問

取引先から年末調整の書類を出すように言われました

業務委託契約で報酬を受け取っているなら、年末調整の対象ではないので書類は不要なはずです。取引先が給与として支払っている(雇用契約やアルバイトの扱いになっている)可能性もあるので、契約の形と支払明細の名目(給与か報酬か)を確認し、取引先に確認してください。

前の会社の源泉徴収票をなくしました

退職した会社に再発行を依頼してください。確定申告では給与の支払金額や源泉徴収税額を正確に書く必要があります。e-Tax で申告する場合も源泉徴収票の内容を入力しますが、提出(添付)は不要です。

独立した年に赤字でも確定申告は必要ですか?

退職までの給与から源泉徴収された所得税が還付される可能性が高いので、申告したほうが得です。青色申告なら赤字(純損失)を翌年以降 3 年間繰り越せます。所得税の納付がなく還付だけになる申告(還付申告)は、翌年 1 月 1 日から提出できます。

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本記事は 2026 年 10 月時点の制度に基づく一般的な説明です。個別の状況(退職金、複数の勤務先、海外での収入など)は税務署または税理士にご確認ください。

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