ブログ / 2026/10/17 · 約10分

フリーランスの確定申告のやり方【初めての e-Tax】必要なもの・作成コーナーの手順・提出後の流れ【2026年分】

初めて確定申告するフリーランス向けに、e-Tax(マイナンバーカード+スマホ)で申告する手順を順番に解説。必要なものの一覧、確定申告書等作成コーナーでの決算書と申告書の入力、青色申告特別控除 65 万円の条件、送信後の受信通知・納付・還付までをまとめました。

初めての確定申告は「何を用意して、どの画面で何を入れるのか」が分からないのが一番の不安です。この記事では、フリーランス(事業所得)が e-Tax で申告する流れを、準備 → 作成コーナーでの入力 → 送信 → 納付・還付の順に、画面の流れに沿って解説します。2026 年分(2027 年 2 月 16 日〜3 月 15 日に申告)を前提にしています。

申告方法は 3 つ。おすすめはマイナンバーカード+スマホ

方法必要なもの青色申告特別控除向いている人
e-Tax(マイナンバーカード方式)マイナンバーカード、マイナンバーカード読取対応のスマホ(またはカードリーダー)65 万円ほとんどの人。控除証明書の自動取得も使える
e-Tax(ID・パスワード方式)税務署で発行した ID と パスワード65 万円マイナンバーカードを持っていない人(暫定的な方式)
書面提出(郵送・持参)印刷した申告書と決算書、本人確認書類の写し55 万円(簡易簿記は 10 万円)特別な理由がある人。控除が 10 万円減る

青色申告特別控除の 65 万円は、複式簿記で帳簿をつけたうえで e-Tax で提出する(または優良な電子帳簿保存をする)ことが条件です。書面提出だと 55 万円になるので、所得税・住民税・国保を合わせて数万円の差になります。

準備するもの

  • マイナンバーカード(署名用電子証明書のパスワード 6〜16 桁、利用者証明用のパスワード 4 桁)
  • マイナポータルアプリを入れたスマホ(PC で作成する場合は、QR コードをスマホで読み取って認証)
  • 1 年分の売上の集計(請求ごとの税抜額・消費税・源泉徴収税額)
  • 1 年分の経費の集計(勘定科目ごとの合計)と領収書・レシート(添付は不要だが 7 年保存)
  • 控除証明書: 国民年金の控除証明書、国民健康保険の納付額(通知書または自治体サイト)、生命保険・地震保険、小規模企業共済・iDeCo、ふるさと納税の寄附金受領証明書
  • 給与があった人は源泉徴収票、支払調書(届いていれば。添付は不要)
  • 還付になる場合の振込口座(本人名義)
  • 前年の申告書の控え(2 年目以降。利用者識別番号が分かる)

ふるさと納税のワンストップ特例を申請していても、確定申告をすると特例は無効になります。確定申告する人は、寄附金受領証明書をもとに全件を寄附金控除として申告してください。マイナポータル連携を使うと、国民年金・生命保険・iDeCo・ふるさと納税(対応サイト分)・医療費の証明書データを自動で取り込めます。

作成コーナーでの手順

ステップ 1: 作成開始と提出方法の選択

  1. 国税庁「確定申告書等作成コーナー」を開き、「作成開始」を選ぶ
  2. 提出方法で「スマートフォンを使用して e-Tax」(PC の場合)または「マイナンバーカード方式」を選ぶ
  3. 作成する申告書で「所得税」を選び、青色申告の人は「決算書・収支内訳書」も同時に作成する(先に決算書を作ると申告書へ自動転記される)
  4. マイナポータル連携を「利用する」にすると、控除証明書の取り込み画面に進む
  5. 利用者識別番号がない人は、この流れの中でマイナンバーカードを使って取得できる

ステップ 2: 青色申告決算書(収支内訳書)の入力

  1. 売上(収入)金額を月別または年間合計で入力する。税込経理なら税込額、税抜経理なら税抜額で統一する
  2. 経費を科目別に入力する(仕入、外注工賃、通信費、消耗品費、旅費交通費、接待交際費、地代家賃、減価償却費、雑費など)
  3. 家事按分する経費(家賃・通信費・電気代)は、事業で使う割合をかけた額を入力する
  4. 減価償却費は、10 万円以上の資産を登録すると自動計算される(青色なら 30 万円未満は一括経費の特例)
  5. 貸借対照表(青色 65 万円控除の場合)を入力する。期首・期末の現金・預金・売掛金などの残高
  6. 所得金額(売上 − 経費)が自動計算され、青色申告特別控除後の金額が出る

ステップ 3: 所得税の申告書の入力

  1. 事業所得は決算書から自動転記される。給与や雑所得があれば追加する
  2. 「源泉徴収税額」に、1 年間に差し引かれた源泉徴収税額の合計を入力する(支払調書がなくても自分の台帳から集計してよい)
  3. 所得控除を入力する: 社会保険料控除(国保+国民年金の実際の納付額)、小規模企業共済等掛金控除(共済+iDeCo)、生命保険料・地震保険料控除、寄附金控除(ふるさと納税)、医療費控除、配偶者控除・扶養控除、基礎控除(自動)
  4. 住民税・事業税に関する事項で、住民税の納付方法を「自分で納付」にする(給与所得がある人は、副業分を給与天引きにしない場合)
  5. 税額が自動計算される。源泉徴収税額が所得税額より多ければ還付額が表示され、還付口座を入力する
  6. 納付になる場合は、納付方法(振替納税・ダイレクト納付・クレジットカード・スマホアプリ・コンビニ QR)を選ぶ

基礎控除は 2025 年の改正で 58 万円に引き上げられ、所得が 655 万円以下の人には 2026 年分まで上乗せがあります(合計所得 132 万円以下は 95 万円など)。作成コーナーが自動で計算するので、自分で調べて入力する必要はありません。

ステップ 4: 送信と受信通知の確認

  1. 入力内容の確認画面で、所得金額・控除・税額・還付(納付)額を見直す
  2. マイナンバーカードで電子署名して送信する(署名用電子証明書のパスワード)
  3. 「送信が完了しました」の後、受信通知(メッセージボックス)で「受付完了」になっていることを確認する
  4. 申告書と決算書の PDF を保存する(控え)。翌年の申告や融資・保育園の手続きで使う

提出後の流れ

項目時期・内容
所得税の納付3 月 15 日まで。振替納税なら 4 月下旬ごろに口座から引き落とし(申込は申告期限まで)
還付e-Tax は 3 週間程度、書面は 1 か月〜1 か月半で指定口座に振込
消費税の申告・納付課税事業者は 3 月 31 日まで(所得税とは別に申告)
住民税申告内容が自動で市区町村に連携され、6 月に納税通知書が届く
個人事業税事業所得 290 万円超の人に 8 月ごろ都道府県から通知
国民健康保険申告した所得をもとに 6〜7 月に保険料が決まる
帳簿・書類の保存帳簿と決算関係書類は 7 年、請求書・領収書は 7 年(一部 5 年)保存

間違えたとき・遅れたとき

  • 期限内に気づいた: 同じ作成コーナーで作り直して再送信すれば、最後に送ったものが有効になる
  • 期限後に税額が少なかったと気づいた: 修正申告。自主的に出せば過少申告加算税はかからない(延滞税はかかる)
  • 期限後に税額が多かったと気づいた: 更正の請求(5 年以内)
  • 期限に間に合わなかった: できるだけ早く期限後申告する。無申告加算税は自主申告で軽減される。青色 65 万円控除は期限内申告が条件なので、期限後は 10 万円になる

よくある質問

売上が少なくても申告は必要?

所得(売上 − 経費)が基礎控除以下なら所得税の申告義務はありませんが、源泉徴収されている人は申告しないと還付を受けられません。また、住民税の申告や国保の軽減判定、融資・保育園の所得証明のために、申告しておくのが実務上は安全です。

会計ソフトは必要?

作成コーナーだけでも申告はできます。ただし複式簿記(青色 65 万円控除)には帳簿が必要で、取引が月 20 件を超えるなら会計ソフトのほうが楽です。取引が少ないうちは Excel の売上帳・経費帳でも対応できます。

スマホだけで完結する?

できます。スマホ版の作成コーナーは青色申告決算書・収支内訳書の作成にも対応しており、マイナンバーカードの読み取りも同じ端末で行えます。入力項目が多い人は PC 画面のほうが見やすいので、PC で作成してスマホで認証する組み合わせがおすすめです。

まとめ

  • マイナンバーカード+スマホの e-Tax なら、65 万円控除とマイナポータル連携が使える
  • 準備するのは、売上と経費の集計、控除証明書、源泉徴収税額の合計、還付口座
  • 作成コーナーは決算書 → 申告書の順。決算書の所得が申告書に自動転記される
  • 送信後は受信通知の「受付完了」と PDF の控えを確認。納付は 3 月 15 日、還付は約 3 週間

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