取引先から「インボイスの登録番号を教えてください」と言われて、登録を決めたフリーランスの人向けに、実際の手続きを順番にまとめます。登録すべきかどうかの判断は「インボイス登録すべきか」の記事を、登録後の消費税の負担は「3 割特例」の記事を参考にしてください。
登録の流れ
- 「適格請求書発行事業者の登録申請書」を出す(e-Tax が早くて確実。書面なら各国税局のインボイス登録センターへ郵送)
- 税務署の審査を経て、登録番号(T + 13 桁)の通知が届く(e-Tax で申請し、通知も e-Tax で受け取ると早い)
- 国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」に登録情報が載る
- 請求書に登録番号・税率ごとの金額と消費税額を書き、取引先に番号を伝える
e-Tax で申請する手順
- 用意するもの: マイナンバーカード(スマホで読み取り)、e-Tax の利用者識別番号(16 桁。確定申告で e-Tax を使っていればある)
- e-Tax(WEB 版)または スマホから「適格請求書発行事業者の登録申請書」を選び、質問に答えて作成・送信する
- 免税事業者が登録する場合は「登録希望日」を書く(申請書を出した日から 15 日以後の日を指定できる)
- 通知の受け取り方で「e-Tax で受け取る」を選ぶと、郵送より早く登録番号がわかる
申請から通知までの期間は時期によって変わります(国税庁が目安を公表しています)。取引先に番号を伝える期限がある場合は、余裕を持って申請してください。
登録日の決め方と、消費税の負担
免税事業者が登録すると、登録日から消費税の課税事業者になり、その日以後の売上について消費税の申告と納税が必要になります。年の途中の日を登録日にすると、その年は登録日以後の売上だけが対象です。個人事業者は、2026 年分は 2 割特例(売上の消費税 × 20%)、2027・2028 年分は 3 割特例(× 30%)が使えます。
取引先が求めている時期に合わせて登録日を決めるのが基本です。必要もないのに早く登録すると、その分だけ消費税の負担が早く始まります。
公表サイトに載る情報(本名に注意)
個人事業者の場合、公表サイトには登録番号・登録年月日とともに氏名(本名)が載り、登録番号で検索すれば誰でも確認できます。屋号や事務所の所在地、旧姓・通称は、申し出れば追加で公表したり、氏名に代えて(または併記して)公表したりできます。ペンネームで活動している人は、取引先に本名が伝わることを前提に準備しておきましょう。
登録したらやること
- 請求書のテンプレートに登録番号、税率ごとの合計金額、税率ごとの消費税額を入れる
- 発行した請求書の控えを 7 年間保存する(電子で送ったものは電子のまま)
- 消費税の申告に備えて、税込の入金額の約 1.8%(2026 年分)〜約 2.7%(2027・2028 年分)を取り分ける
- 翌年 3 月 31 日までに消費税の確定申告と納付をする
登録をやめるには
「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を出すと、原則として翌年(翌課税期間)の初めから登録がなくなります。提出の期限は翌課税期間の初日から起算して 15 日前の日までです。なお、年の途中から登録した免税事業者は、登録日の属する年の翌年から 2 年間は免税事業者に戻れない場合があるため、取りやめを考えている人は国税庁の Q&A で条件を確認してください。
よくある質問
登録番号はマイナンバーと関係ある?
関係ありません。個人事業者の登録番号は「T」と、マイナンバーとは別に割り当てられた 13 桁の数字です。請求書に書いても、マイナンバーが知られることはありません。
開業届を出していなくても登録できる?
登録申請の条件に開業届の提出は含まれていませんが、事業をしていることが前提の制度です。開業届や青色申告承認申請書もあわせて整えておくと、確定申告や取引先とのやりとりがスムーズです。
登録番号入りの請求書を作る(無料ツール)
登録番号、10%/8% の税率ごとの金額と消費税額、源泉徴収に対応した請求書をブラウザで作って PDF 保存できます。登録不要。
請求書作成ツールを開く消費税の負担も含めた手取りを計算する本記事は 2026 年 10 月時点の国税庁の案内に基づく一般的な説明です。手続きの詳細や期間は、国税庁のインボイス制度特設サイトでご確認ください。