会社員の厚生年金と違い、フリーランス・個人事業主は国民年金の保険料を自分で納めます。2026 年度(2026 年 4 月〜2027 年 3 月)の保険料は月 17,920 円、年 215,040 円です。毎月払うより、前納(まとめ払い)にすると割引が受けられます。この記事では、前納でいくら安くなるか、手続き、税金上の扱い、年金を増やす付加年金、払えないときの制度を整理します。
前納の割引額(2026 年度)
| 納め方 | 期間 | 1 回の納付額 | 毎月払いとの差(割引) |
|---|---|---|---|
| 口座振替 | 2 年前納 | 417,150 円 | 17,370 円 |
| 口座振替 | 1 年前納 | 210,530 円 | 4,510 円 |
| 口座振替 | 6 か月前納 | 106,300 円 | 1,220 円 |
| 口座振替 | 早割(当月末に振替) | 17,860 円(月) | 月 60 円 |
| 納付書・クレジットカード | 2 年前納 | 418,510 円 | 16,010 円 |
| 納付書・クレジットカード | 1 年前納 | 211,220 円 | 3,820 円 |
| 納付書・クレジットカード | 6 か月前納 | 106,650 円 | 870 円 |
金額は日本年金機構が公表している 2026 年度の額です。2 年前納は 2026・2027 年度分(2027 年度の保険料は月 18,290 円)をまとめて納める場合の金額です。割引がいちばん大きいのは口座振替の 2 年前納です。
前納の申し込み方
- 口座振替: マイナポータルからのオンライン手続き、または金融機関の窓口・年金事務所に申出書を出す。一度申し込めば、辞退しない限り続けて前納で振り替えられる
- クレジットカード: 年金事務所に申出書を出す(郵送可)
- 納付書(現金)で 2 年前納: 毎年 2 月から受付、3 月末までに年金事務所へ申し出る(4 月以降も可だが、支払期限は 4 月末)
- 口座振替・クレジットカードで 4 月分から前納する場合の申込期限は、日本年金機構・年金事務所の案内で確認する(例年、年度が始まる前の早い時期に締め切られる)
前納した保険料の社会保険料控除
国民年金保険料は全額が社会保険料控除になり、所得税・住民税が下がります。2 年前納した場合は、「納めた年に全額を控除する」か「各年分に相当する額をそれぞれの年に控除する」かを選べます。所得の高い年にまとめて控除すると節税効果が大きくなることがあります。各年に分ける場合は、内訳の明細書を申告書に添付します。手続きの詳細は国税庁の案内(2 年前納された国民年金保険料の社会保険料控除について)で確認してください。
月 400 円で年金を増やせる「付加年金」
- 国民年金の保険料に月 400 円を上乗せすると、将来の年金が「200 円 × 付加保険料を納めた月数」だけ毎年増える
- 例: 10 年(120 か月)納めると、払う総額は 48,000 円、増える年金は年 24,000 円。受け取り始めて 2 年で元が取れる計算
- 付加保険料も全額が社会保険料控除の対象
- 国民年金基金に加入している人は付加年金に入れない。iDeCo と併用する場合、付加保険料は iDeCo の掛金上限の枠に含まれる
- 申し込みは市区町村の国民年金窓口か年金事務所
払うのが厳しいときは「未納」にせず免除・猶予を申請する
前年の所得が少ない場合などは、申請すると保険料の全額または一部(4 分の 3・半額・4 分の 1)が免除されたり、納付が猶予されたりします。会社を退職した人には、失業を理由とする特例の免除もあります。免除・猶予の期間は、未納と違って障害年金・遺族年金の受給資格に影響せず、10 年以内なら後から追納して年金額を増やすこともできます。申請は市区町村の国民年金窓口か年金事務所、マイナポータルからできます。
よくある質問
前納の途中で会社員になったらどうなる?
会社員になって厚生年金に加入すると、国民年金の第 1 号被保険者ではなくなるため、前納していた保険料のうち該当する月の分は還付されます。手続きの案内は日本年金機構から届きます。
国民年金は経費になりますか?
経費にはなりません。事業ではなく個人の保険料なので、確定申告では社会保険料控除として所得から差し引きます。日本年金機構から届く控除証明書(または納付額の記録)を使って申告します。
本記事は日本年金機構・国税庁の公表内容をもとに 2026 年 10 月時点でまとめています。申込期限や手続きの詳細は、日本年金機構または年金事務所の案内をご確認ください。